「欲しい」と「我慢すべき」の葛藤…小麦粉入り風船“コムギン”を作るまで
娘Haruko(小学5年)は、現在不登校。
発達の特性も持っています。
何か閃いては手作りするHaruko。
先日は、スクイーズのような触り心地の「小麦粉入り風船」を作りました。
これ、もともとは、とあるインテリアショップの店員で、野菜の形の玩具を見つけたことがきっかけでした。
まずは、奇妙な見た目に一目ぼれ。
さらに触ると、ぐにょぐにょむにゅむにゅ不思議な触り心地。
生地はゴムっぽい。
お値段税込300円ほど。
「いいなぁ、これ、欲しいなぁ」
と呟くHarukoに店員さんがやって来て、中身は小麦粉だと教えてくれました。
「いいなぁ…」
呟きながら商品を触り、一旦棚に戻すものの離れられず、また手を伸ばす。
その繰り返し。
これをただ見守っていると、そのうちパニックを起こすことが分かっているので、Harukoの頭の切り替えを促す必要があります。
というのは、Harukoは、『自分の欲求』と『規範』との対立が生じたときに頭の中が混乱しやすいのです。
欲求と規範の対立。
何だか難しげな表現をしてしまいましたが、要は「〜したい!」と「〜すべき」
が食い違っている状態、とでもいいましょうか。
簡単な例では、
「早く行きたい!」
「でも信号赤だから止まらなきゃ」
みたいな。
誰でも経験しますよね。
みんな何かしら折り合いをつけて行動していくもの。
でもHarukoには、その選択が困難なのです。
おまけに彼女には、自分で定めたルールや、無意識に「守るべきルール」として刷り込まれた、彼女にとってだけの「規範」にあたるものが、数限りなく存在します。
今回も
「欲しい」
と
「我慢すべき」
との葛藤で、だんだん混乱してきました。
そこで私から切り替えのための助け舟。
「これ、ゴムっぽいから、風船に小麦粉入れて葉っぱや目をつければ、手作りできるんじゃない?」
「できるかな…できるかも?…やってみる!!」
パニック回避!
ウィンドウショッピング一つとっても、気を使います。。。
口を出すときのポイントは、葛藤している二択とは別の解決策を持ち出すこと。「お小遣いは貯金するって決めたから我慢しようか」とか「貯金は次からにして買っちゃえば?」などと、結論を差し出さしてはいけません。
なぜなら、それはまさにHarukoが今葛藤している事柄をなぞるだけなので「それは出来ない!」という返答(しかもキレ気味)が返ってくるのがオチです。
今回は、「買う」でも「諦める」でもなく、
「自分で作る」
という選択肢でパニック回避できました。
自分で考えながら、小麦粉入り風船を作ったHarukoさん。
あとは、キョロ目とフェルトの葉っぱを作るだけ。完成が楽しみです。
ところで、後で調べてみると、
これ、
“コムギン”
という名前なんですね。
既に作り方のサイトなどもあり驚きました。
自分で作ったHaruko、すごいぞ!