「生きていれば、それでいい」
東日本大震災から9年。
私は宮城と福島に通算8年間住んでいたことがあります。
9年前のあの日、私はすでに今の街で暮らしていましたが、あの大震災は私にとっても心がえぐられるような出来事でした。
それでも、私は遠く離れた地に住む人間。あのとき、あの場所にいて大きな被害を受けた方々の痛みは、私の想像など遥かに超えるものでしょう。
TV報道で、ご家族を亡くされ、残されたお父さんと息子さんのインタビューを見ました。
その中で、お父さんは今年就職して親元を離れる息子さんについて
「生きていればそれでいい」
と仰っていました。
なんという重みのある言葉でしょう。
常日頃、子どもたちと接していると、あれもこれもと求めたくなるときがあります。
子どもたちの成長のために、求めること自体は悪いことではありません。
けれど、親として根本にある
「生きていれば、それでいい」
という思いを、ときどきは取り出してみたいと思いました。