ほろ苦ボーリングデビュー……聴覚過敏のこと
10連休もある今年のGW。夫の実家に帰省しました。
けれども、あいにくのお天気が続いています。子どもたちは「どこかに連れてって〜」と不満そう。
どこか遊べるところはないか。
探した結果、ボーリング場に行くことにしました。
Harukoの従姉妹も含め、子どもたちは皆ボーリングをやったことがありません。大人達も何年振りかのボーリング。
「もう忘れちゃったねぇ」なんて言いながらボーリング場に行ってみると…
そこはゲームセンターのように大音量で音楽やらゲーム機の音やら、とにかく色々な音が洪水のように溢れる空間でした。
ボーリング場って、こんなだったっけ?
慌ててHarukoの顔を見ると、そこには涙目になってどんどん顔を強張らせていく姿が。
しまった!
と思っても後の祭りです。
「私はボーリングなんて絶対にしない!」
大声で宣言。まだ何もしていないのに。
もう何を言ってなだめても無駄。頑なに「やらない!」を繰り返します。
私達家族だけなら、諦めて引き返すところですが、ボーリングを楽しみにしている義兄一家も一緒ですからそうもいきません。彼らは早くも靴も借りてるし…。
とりあえず、音が出来るだけ届かないように場内の一番奥のレーンを借り、Harukoを除く皆で1ゲームやることにしました。
その間、Harukoは、皆から少し離れたところで、強張った顔をしながら彼女の安心グッズである縫いぐるみのヌイヌイを抱きしめて立ったまま。
なぜ、こんなことになったのでしょう?
それは、Harukoには初めての場所に不安を感じやすいという特性とともに、聴覚過敏があるからです。
私が「Harukoには聴覚過敏がある」ということに気づいたのは、最近のことです。
それまでにも「聴覚過敏」という言葉を聞いたことはありましたが、それをHarukoに当てはめることは出来ませんでした。
それは、「聴覚過敏」のある人は、「大きな音」が苦手だと思い込んでいたからです。
Harukoは、赤ちゃんの頃から、駅のホームの放送やバイクの音などで大泣きしました。だから大きな音が苦手なのかというと必ずしもそうではなく、大迫力の和太鼓の音などは全く怖がりません。
逆に、音は大きくなくても、デパートのトイレなどにある手の乾燥機はダメだったり。
Harukoが学校への不適応を強めていく中で発達障害について調べ始めてもなお、「大きな音が苦手って訳でもないから、聴覚過敏は違うかなー」と思っていたのです。
それが、発達障害の専門クリニックを受診し、医師から「聴覚過敏もあるんだね」と言われたことで、「こういうのも聴覚過敏なんだ」と知った次第です。
"発達障害"には色々な特性があって一言では言い表せないように、"聴覚過敏"も人それぞれで、人によって感じ方が違うんですね。
そういう視点を持ってHarukoから話を聞くと、よりHarukoのことを理解できるようになってきたように思います。
例えば今日のようなとき、知らずにいると「昨日は、ボーリングに行くと聞いて、喜んでいたじゃないか?それが、ここまで来てやっぱりやらない!ってなんなんだ(怒)」となりますが、聴覚過敏があることを知っていれば、「辛いんだね。」と彼女に寄り添ってあげられます。一番奥のレーンを借りるなど、その状況の中でも彼女の苦痛を和らげるための方法を探すことも出来ます。
ちなみにほろ苦のボーリングデビューとなったHarukoさんですが、ずっと少し離れて見ていたのでボーリングがどんなものかは分かった様子。
ボーリングそのものには興味を持ったらしく、帰り道
「音がうるさくないボーリング場があったらやりたいなぁ」
と呟いていました。
探してみよう。
そして、次こそは一緒にやろうね。