かめかめこがめ

長女Haruko、不登校になりました。

娘、プログラミング教室体験に行く【道中編】

娘Haruko(小5)は現在不登校児です。

 

以前は好奇心旺盛で何にでもチャレンジする性格でしたが、小学校での失敗体験を重ねるうちに、すっかり自信を無くして消極的に。

 

そして、不安の症状が強くなり、外出するときには、母である私の付き添いと、大切な心の友である縫いぐるみのヌイヌイが欠かせなくなりました。

 

ヌイヌイはもともと抱き枕なので、かなりの大きさがあります。10歳にもなる子が、そんな大きさのぬいぐるみを抱きしめ顔をうずめて歩く姿は、知らない人からはすこし奇妙に映ることでしょう。

 

それでも、ヌイヌイと一緒にいることで外に出られるのならば、今はそれでいい。

私はそう思っていました。

何故なら一時期は全く外出が出来ない日もあったからです。

 

しかし、同時に

いつかまた、以前のようにヌイヌイが居なくても何処にでも行けるようになって欲しい。

とも思っていました。

 

今はまだ小学生なので、大きなぬいぐるみを抱き抱えて歩くことは、社会的に許容されるギリギリの範囲のように思います(多少奇異の目で見られるものの)。

ただこれが、中学生・高校生になったとしたらどうでしょう?

「多少」の奇異の目、どころでは無くなるのは必至です。

 

今は小学5年生。

今後を見据え、少しずつでも、ヌイヌイ無しでも外出する機会を作って行かなければ…。

そう思っていたところに、このプログラミングの体験教室の話が舞い込んできたのです。

 

体験教室前日、Harukoが

「明日、プログラミング教室だよね?ヌイヌイは一緒に行けるかなぁ?」

と聞いてきました。

 

私は、このとき、これはヌイヌイ無しで外出することが出来るチャンスかもしれないと直感しました。

 

そこで

「どうだろう?プログラミングはパソコンでやるから両手を使うかも。そしたらヌイヌイは抱っこ出来ないし、明日はヌイヌイはお留守番してようか?」

と言うと、すんなり「うん」と返事をしたのです。

 

私は内心飛び上がらんばかりに嬉しかったのですが、そこは表に出さず、ひとまずこの話は終了しました。

(なぜ私は嬉しさを表に出さなかったのか、その理由はHarukoの特性にありますが、その点はまたの機会に。)

 

そして、いよいよ当日です。

 

家を出るときに多少名残惜しそうでしたが、Harukoは思い切った様子で外に出ました。

「ヌイヌイがいないと変な感じする」

と言い、多少不安そうですが、何とか教室まで行けそうです。

 

途中で「今日はどのくらいの人が来るのかな?」とHarukoがやや不安そうに聞いてきました。

 

Harukoは聴覚過敏があり、大勢の人がザワザワしている所が苦手です。

もちろん、私もその点は分かっているので、申し込みの際に体験教室の生徒数は最大で10名だということを確認してありました。

 

それを伝えると、10名ならば普段通っているフリースクールと同じくらいなので、大丈夫だと思ったのでしょう。Harukoはホッとした様子でした。

 

そうこうするうちに、教室に到着しました。

 

初めての所に入るときは、大人でもドキドキします。

もちろんHarukoも、初めての場所は大の苦手です。ドアの前で、緊張した面持ちで立ち止まってしまいました。

 

そんなHarukoに

「ママ、ここ初めてだからドキドキするなぁ。Harukoもそう?でも、ワクワクもするよね。」

と言うと、Harukoは小さく頷きました。

 

(よし!ワクワクしてるんだな!と心の中でガッツポーズしていることは、おくびにも出さず自然な感じで)

「じゃあ行こうか」

と促すと、Harukoがまた小さく頷きました。もう、私の心の中はホクホクです。今日はいいぞ!

 

ドアを開け、体験教室の会場に入ると、すぐに係の方から「お子さまの教室はこちら、保護者の方はこちら」と案内をされました。

 

「え?ママいっちゃうの!?」

顔を曇らせてスッと私の袖を掴むHaruko。

 

ここは、もう一踏ん張りだ。そう感じたので

「じゃあ、持ってきた水筒を渡しておくね。喉が乾いたら飲んでね。ママは向こうで待ってるからね。」

と、持ってきていた水筒を手渡したところ、またまたすんなり

「分かった」

と受け取って教室に入ったのです。

 

保護者向けの説明会場で、私は内心ものすごく感動していました。

 

初めての場所での初めての体験なのに、ヌイヌイも私も居なくても行けた!!

ここ数ヶ月間のHarukoからしてみれば、驚くほどの成長です。

 

でも、まだ油断は禁物。

 

なぜなら、ここでプログラミング教室が不本意な出来で終了した場合、またHarukoには「失敗体験」として刻み込まれ、今後再びヌイヌイを手放さなくなってしまうであろうからです。

 

あとは、楽しく過ごせますように。

私は祈るような気持ちでいました。

 

〜  続きはまた  〜