娘が鼻の穴に小石を詰めた話
日曜日の夜、いつものように9時頃に布団に入り、読み聞かせを終えたとき、3歳の娘チイコが言いました。
「チイちゃん、はなにひっかかってるの。」
引っかかってる?
鼻に?
指で鼻ほじって、鼻くそ詰まっちゃったのかな?
「うん。つまっててとれないの。
でもチイちゃん、とりたいの。
おとさんに、とってもらうね。」
と、神妙な顔つきで、父親のいる階下へ降りて行きました。
しばらくして、チイコの父親の慌てた声が。
「鼻の中に石が入ってる!?」
何?
石?
何を言ってるの??
鼻くそじゃないの??
混乱しながら私も階下に降り、チイコの鼻の穴にライトを当てて覗き込むと…
本当に!
石が入っている!!
ピンセットでつまもうとしましたが、ツルツルしていて掴めません。鼻を痛めそうだし、更に石を奥に押し込んでしまいそう。
どうしよう?
明日耳鼻科で取ってもらうしかないかな?
でもこれ、明日まで放っておいて大丈夫だろうか…?
悩んだ末、小児救急ダイヤルの「♯8000」に電話をしました。
これは、こどもの病気などについて、夜間や休日に困ったときに、医師や看護師の方がアドバイスしてくださる、ありがたい電話番号。
全国一律この番号でかけられ、最寄りの相談窓口に自動転送されるという、素晴らしいシステムです。
こんなことで電話しちゃってもいいのかな。ご迷惑かも?
なんていささか恐縮しながら、電話してみると…
「お母さん、これは救急案件ですよ!!」
え!?そうなんですか!?
「そうです!そのまま気管に入ったら、窒息の可能性もあります!
お住まいの地域の夜間診療所の電話番号をご案内します。そちらに電話をかけて状況を伝えてください。夜間診療所では、鼻の異物を取る技術のある医師がいない場合は、すぐ救急車を呼んでください!」
きゅ、救急車!?
事の大きさを知り慌てて夜間診療所に電話しました。
すると、今日の当直医では取れないとの回答。でも、近くの総合病院の夜間窓口に電話して聞いてみるように、と教えていただきました。
すぐさま言われた電話番号にかけると…
「分かりました。すぐ来て下さい」
とのお返事。
すぐさま支度をして、父親がチイコを総合病院の夜間窓口に連れていきました。
夜間窓口は、人でごった返していたそうです。
トリアージを受け、順番を待ち、いよいよ診察。専用のピンセットで、するりと取っていただいたとのことでした。
出てきたのは、私の親指の爪ほどの大きさがある小石。
小指の爪よりも小さな鼻の穴に、よく詰め込んだものです。いつの間に、こんな物を詰め込んだんだろう。
小さい子は、本当に何をしでかすか分かりませんね。
それにしても。
#8000の医師看護師の方々。
夜間診療所の医師看護師の方々。
総合病院の当直の医師看護師の方々。
休日夜間も働かれている皆さまのおかげで、もしかしたらチイコは命を助けられたのかもしれません。
感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。